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桜花楼の恋

第18章 いざ尾張へ

・戸塚side

季節は春を迎え、桜の花が咲き誇り縁側では。



河「はぁ、来ないなぁ」

福「来ませんねぇ」

辰「約束では、そろそろのはずなのに」



じゃなく店先で…

毎日のように、3人が座り込み今か今かと待ち詫びていた。



戸「ねぇ、そんな所で雁首揃え肘つきながら外を眺めていたら、お客さんビックリして逃げちゃうよ」



俺がそういうと。



河福辰「んっ?」



3人同時に振り返り、また視線を元に戻す。

ダメだ、こりゃ…



五「うわっ、何やってるんだお前ら?」



ご覧の通りさ、クスッ



橋「トッツー」

戸「ハッシーいい子にしている?ニコッ」

橋「うん」



数日前━



河「塚ちゃんがいない?」

五「あぁ」

河「どういう事だよ?」

五「道場へ行ったら」



“流浪の旅に出て来る”



戸「それだけ?行き先とか」

五「何も、松崎が言うには朝きたら机の上に紙が置いてあったんだって」

河「いったい何処へ行ったんだろう?」

五「さぁ」



横尾が北山のところへ戻って来たかと思えば、今度は塚ちゃんだなんて大丈夫なのかな。

桜花楼へ行けば━

1度、宮田から文が届いて以来なんにも言って来ない千賀のことで。



旦那「宏光、お前はどう思う?」



相変わらず、頭を悩ませている旦那がいて。

“春だねぇ”

塚ちゃんがいたら笑いながら、きっとそう言うんじゃないのかな。

ふと思う…




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