テキストサイズ

桜花楼の恋

第19章 優しさと温もり

・北山side

あぁーもう、くっそ。



戸「北山、落ち着けって」

北「冗談じゃないわ、クッ」



何で?どうして俺が、んな格好しなきゃならねんだよ。



亀「はいお待たせ、あれ我が妹君は機嫌が悪いようだね、クスッ」



はっ?



北「なぁ分かっているの?自分が言っている意味」

亀「失礼だな頭はいい方だと思うけど、フッ」

北「あのさ、お前の言っていることは俺にこの先、ずーっと」

亀「太輔と一緒にいたくはないんだ?」

北「そりゃ」

亀「なに?はっきり言わなきゃ分からないだろ、ニッ」

北「…いっ‥いたいに決まってるじゃん」

亀「なら我慢するしかないんじゃない?ニコッ」

北「ちっ」

戸「クスッ」



俺の身請けが決まった━

いきなり横尾さんに言われてから数日後、約束通り加賀の若君は江戸へと戻って来たんだが。



亀「取り合えず、これからの予定を話す」



つまり、こいつが俺を身請けするってわけだわ。



亀「桜花楼を出るのが…」



名目上は、旗本の息子って事になっているらしい。



亀「出発は、その」



遊郭街では噂の方が迎えに来たと、まるで祭りのような騒ぎとなり。



「太夫おめでとうございます」

「いなくなってしまうのは寂しいが太夫のため」

「あぁ、我々は十分によくして頂いた」

「この遊郭街に新しい風を吹き込んだのは貴方です」

「これからも男娼たちの希望、支えとなるでしょう」



ふっ、大袈裟だって。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ