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桜花楼の恋

第26章 幸せな日々

・五関side

また、夏がやって来た。



「旦那さま、この酒樽は」

「んっ?あぁ、こっちへ置いてくれ」

「かしこまりました」



ひと月前、とつぜん現れたこの男。

働きっぷりはいいんだが、どーも堅っ苦しくていけね。



河「仕方ないんじゃない前の仕事が仕事だからよ」



そのふた月前には、藤ヶ谷と北山が来て。



戸「男の子が生まれたんだ良かったね」

北「もーう可愛くて可愛くて、デヘッ」

藤「こいつったら独り占めにし俺に抱かせてもくれないんだぜ」

北「文句ある?ジロッ」

藤「…いえ」

河「きゃはははっ、太輔が尻に敷かれてるぅ」

藤「うっせぇ郁人」

戸「クスクスッ」



すれ違いに━



橋「ごっち」

五「良亮、どうした?」

橋「あのね今日、宮田一座を見に行ってもいい」

五「誰と?」



あっ…



「こんにちは、うちの人がいつもお世話になっています」



どーも、ハハッ

いつ見ても、綺麗なカミさんだなぁ。



橋「ぶぅーっ」

五「あっ、違う良亮これはね」

橋「もう知らない」



ダダダダダッ!



五「良亮!」



難しい年頃、最近ますます妬きもちが激しく困っている。



「ですから忍びというのはですね」



二階堂は、宮田たちと一緒に戻って来て。



ニ「じゃさ出来るようになったらなれるの?」



何故だか、米屋とは全く違う方向へ向かっているような。



「そんな簡単なものではありません、だいいち後継ぎはどうするんです?」



大丈夫か?



ニ「ガヤみたいにやれば」

塚「世の中、そう甘くはないよ二階堂」

ニ「だって俺、加賀へ行きたいんだもん」



気持ちは分かるけど、ハァ




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