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桜花楼の恋

第26章 幸せな日々

それから、俺達は思い思いに時を過ごす。

藤の花の周辺を駆けずり回って遊ぶ子供たちを見ながら。



北「あの時は、こんな日が来るだなんて思ってもみなかったな」

藤「あぁ、フッ」



遠い眼をし、シミジミと宏光が言う。



高田「もし宏太が想松君に仕えたいと言い出したら」

雪「私は構いません、フッ」

高田「雪…」

雪「見て、あの2人を血の繋がりがあるだなんて知らないはずなのにあんなにも仲良く、んふふっ」

高田「そうだな、フッ」



縁とは、摩可不思議なもの。



藤「よーし、そろそろ帰るか」

玉「この次は皆でお花見がしたいね」

横「あぁ、フッ」

千「どこでやるんだよ」

玉「そりゃ尾張に決まってるじゃん」

千「江戸!」

ニ「加賀!」

全員「‥‥っ」

ニ「なんだ?いいじゃん、たまには」

河「悪くはないんじゃね」

戸「うん、ニコッ」

橋「僕、加賀へ行ってみたーい」

五「全員、行けるか分からないのに?」

塚「なんとかなるってあの時みたいに」

宮「そうさ俺達に不可能はないってね、ニコッ」

玉「随分と強気だな、フッ」

千「えんやこらどっこい」

ニ「よいさっさ」

藤「意味わかんね」

北「ガハハハッ」

横「ふっ」



だけどホッとする皆といる空間が一番、そう思える仲間に出会えたこと。

何よりも、その笑顔が人と人との繋がりは身分や生まれ育ちとか関係なく。

心で接すればこその絆なんだと、それぞれの表情が証明してくれている気がしたから。

紡いで行こうこれからも未来永劫、平和な世でいられる為に俺達は。

全ての人達がずっと、この青空の下で。




終わり

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