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蜜蜂オヤジ。

第14章 タルト…官能の倒錯。

『まあ!カケル、ちゃんと【ありがとう】言った?』
桜さんは
ママらしく
俺からのプレゼントのグラブを
嬉しそうに見せるカケルに
そうニコニコしながら尋ね
『お父さん、ありかまとうございます。こんな高そうなグラブを… …まだおもちゃみたいなやつで十分だったのに…』
と申し訳なさそうに俺に
そう言った

『いやいや、道具は大切なんじゃよ!最初からいいものでなければ。 …それに嬉しいんじゃ!薫たち息子らは、全然野球なんぞに関心を持ってくれんかったからな…。』
俺はしみじみとそう答えた。

『お父さんは、やっぱり寂しかったんですか?野球をしてくれなかったこと…。』

『ああ…やっぱりそうだなぁ… …いやいや俺はもともとは娘が欲しかったんじゃよ。だから、志帆が妊娠するたびに、女の子の名前ばかり考えていてね…。だけど生まれてきたのは男ばかり… …あまりに残念だったから、そのまま名前つけたよ。』

『そうだったんですね!…なるほど…。薫、忍、海…。本当だ!ウフッ…お父さんらしいなぁ…』

桜さんは
そう微笑んで
俺を見つめた

俺はその微笑みが愛しくて
つい…
今にも桜さんを抱き締めたくなってしまったが
今日はカケルも家にいるので
夜までガマンすることとなった。

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