無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

よりによって…………だ。

アルは、伊織と花野ちゃんの仲睦まじさを目のあたりにするだろう。

伊織は、アルの花野ちゃんへの気持ちに気づくんじゃないだろうか？
勘のいいヤツに隠しとおせるとは思えねぇ。

最善は伊織が帰ってくるまでに、アルが花野ちゃんに完璧に失恋する。

……さすがマコちゃん、よくわかってるな……。

と、いっても今のアルに告白まで漕ぎつけるスキルがあるのか？

それに俺は、親友アルの失恋なんて願いたくない。
子犬のように俺らを慕う伊織のことも、もちろん応援したい……。

ふたりがライバル関係にあると気がついたとき…。
アルの行動はきっと、わかる。
けど、ほぼ両想いの伊織はどう動く？
俺はどうすればいい？

考えたところで、未来はわからない。
できる範囲のことはするつもりだけど、あの兄弟2人とも、俺のアドバイスにそう簡単に従うようなタマじゃねぇ。
なるに任せよう、それしかない、そう思った。
ケセラセラ……ヒッチコックでも、また観てみようかな。

花野ちゃん、キミは俺が最初に直感したとおり……天然の小悪魔だね……。
その気もないのに男を惹きつける。

あれで理系女だったのかよ？
俺のイメージと全然違うな。