テキストサイズ

僕ら× 1st.

第13章 ク"ニコ"ム --Shu

「そっか。私もロック外してたからね。知っているのは柊君だけ?」

「そう。アルにも伊織にも言ってない。で、誰に消されるって?」

「私の部下がね5人いたんだけど、3人はあの崩落事故で、残る2人は帰国してから連絡が途絶えた。きっと次は、私の番」

怯えるでもなく、彼女は淡々と話した。

「それで、俺を誘惑しようとした?」

「そう、柊君の彼女になったら安泰だと思って。なのに柊君たら思いの外、まともで優しくて…。私のこと、大切に思ってくれているのがわかったから、利用できないわ。作戦中断」

思いの外?褒められたな……。

でも、本條は俺の女だからって遠慮はしねぇだろうな。
そんなこと、彩華さんもわかっていたんじゃねぇのか?

もしかして、最後に俺を選んでくれようとした?
いや、ありえないだろ……。

「だけど、さっきの理由は本当よ。もっと早く、もっと遅く出会いたかった」

「何、そのなぞかけは?」

「こんなことになる前に出会いたかった。そして、大人になった柊君と出会いたかった。あなたと、恋人同士になりたかったわ」

7歳差…大人になれば、こんな差は何でもないのに。
中学生でも頼れる男になれれば、少しは違うのだろうか?
彼女の俺に対する評価は……。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ