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貴方だけを愛してる

第10章 つなぐ手の行き先

A side

病院で目覚めたニノの混乱は凄まじくお爺ちゃん先生、若先生、俺で押さえつけても暴れるほどで到底家に帰れる状態ではなかった

その為、お爺ちゃん先生の家で俺とニノは少しの間暮らす事になった

幼児退行のようにぴったりくっついて離れないニノ

仕事もどうなるかと思ったが…運がいいのか悪いのか…その頃の俺たちはどん底で仕事がない日の方が多かった

A「ニノ…起きて…朝だよ?」

N「んん…まぁくん…かず…ねむぅ…」

A「にーのー!」

もともと寝起きはいい方だったはずなのに起こすのも一苦労

一人称も『僕』から2人の時は『かず』になった

そして…

A「にーのー!起きる!お爺ちゃん先生との約束でしょ?」

N「むぅ…かず…ニノじゃないもん…」

A「はぁ…かずくん…起きて?」

N「はぁい」

俺にも『かず』と呼ぶことを強請った

俺の呼び方も相葉くん→相葉さん→まぁくんと変わった

何から何まで一緒にやりたがり

何から何まで『まぁくんと一緒』と強請る

今までの泣き虫で甘えん坊だけど江戸っ子っぽさもある悪戯っ子なニノから

泣き虫で甘えん坊でワガママな子供のようなニノになった

でもそれは家の中だけで仕事などでは元のニノになる

その切り替えは俺を混乱させた

N「まぁくん…ご飯は?」

A「あ…ごめん。食べよっか」

N「変なまぁくん。いただきまーす」

A「いただきます」

くふくふ笑ってご飯を食べるニノ

本当の君はどっちなの?

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