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ながれぼし

第1章 きみのそばで

*櫻井*




ふと。昔を思い出した。

これは、大学時代の俺と、智くん。の話。



****


…あー腹減った。

最悪だ。今日に限って…


講義終わりに教授に雑務を頼まれた俺は、見事に昼飯を食べ損ねた。
こんなことがあっていいのか?


「おー櫻井。教授に捕まったんだって?昼飯食べてねーの?かーわいそー。」
そう言って、ケタケタと笑うこいつは、大学で出会った。宮崎健(タケル)。通称タケ。

「うっせ。この講義終わったら食いにいくよ。」
タケは、やや口は悪いがとにかく人懐っこい。気が付いたら近くにいて、何だかんだ一緒に居ることが多かった。


講義1つくらい受けなくてもいいか。と、一瞬頭を過ったが、なにぶん、自分真面目なもんで。

腹が鳴りそうになるのを、ペットボトルのお茶とガムで誤魔化し、長い講義を乗りきった。


「じゃ、俺、学食行ってくるわ!」
終りの合図と共に、机の上をあっという間に片付け立ち上がる。

宮「俺も行こうかなぁ。」

「タケ 次もあんだろ?ちゃんと受けろよ。」

宮「じょーだんだよ。真面目に勉強してまーす。」
そしてちょっと軽い。が、根は真面目な奴。
だから気が合うのかもな。

がんば。と笑って声をかけ、急いで学食に向かった。

で、何でこんなにも急いでいるかと言うとだ。
腹が減ってるのは勿論だか、この大学の学食には、美味いと有名なカレーライスがある。そして3週間に1回、そのカレーがカツカレーにか変わるのだ。しかも値段据え置きでだ。

そして俺はカツカレーが好物と化していて、毎回必ず、カツカレーを食べている。寧ろ食べられないと気持ち悪くなりそうなくらいだ。

でも、流石に今日はもう無いかもしれない。
だがしかし…もしかしたらと期待を込めて、学食に入った。


…あ!あった!残り1食!
マジでついてる!

嬉しさから声をあげそうになったのを何とか押さえ、注文しようとしたその時だった


「カツカレー。お願いします。」

と、隣から聞こえた男の声。

そして、はいよー!と元気に答える学食のおばちゃん。


「うそだろ?!!」

「!?」

思わず、大声を出してしまった俺。

そして、驚いた顔で振り返った男。



そう、それが智くん。だった。

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