kiss & cry
第11章 番外編 サトシくん
*O
さかのぼること数時間。
ちょうど編集作業に目処がつき、
グーーッと背を伸ばした。
気がつけば隣のスタジオで行われている撮影が
間も無く終了予定時刻。
いいこと思いついた♡と、
仕事終わりの恋人を驚かせるため
何の気なしに隣のスタジオをのぞいて見た。
すでにそこはスタッフが片付けをしていて
お目当ての彼の姿はない。
となれば彼のいる場所はシャワールームか?
ペタペタとサンダルを鳴らし、
階段を降りてシャワールームの扉に手をかけた。
脱衣所を覗いてみたがそこには人影は見えず、
奥の扉の先からザーーーッと水音が聞こえる。
どうやらシャワーの真っ最中。
ここで待ってたら驚くかな?
むふふ、とほくそ笑みながら恋人が
出てくるのを待っていると、
シャワーの音に紛れて何やら妖しげな声が
中から聞こえてきた。
『ゃ・・・・・ん、…っ、・・・・・あ』
おやおや?
『しょ、・・・ん、はぁ…っ、きもち、…!』
おやおや
『しょうく・・・ぁ、やぁあ…、そこっ…!』
おやおやおやおや。
これはこれは・・・