
Secret
第22章 フェス事件
生臭い匂いが残る舞台。
結城を抱き上げ舞台を降り奥の控室に連れて行った。
「結城ッ!大丈夫ッ???」
美佳ちゃんやスタッフが声をかけ・・結城はタオルの中で何度も頷いた。
控室に入ってタオルを外すと・・結城の顔は真っ赤。
一瞬結城の血かと思うくらいリアルに・・・。
直ぐに祐司がその液体を指に付け舐めた。
「・・・・・動物の血ですね・・・・・変な薬品ではない・・・」
・・・・・・・・。
直ぐにスタッフが濡れタオルで結城の顔を拭き・・・傷が無い事を確認。
「美佳ッ・・・美佳・・・」結城は俺の腕を掴みながら美佳ちゃんを呼んだ・・。
「なに?・・・痛いとこ無い???」
美佳ちゃんがそう言うと・・・
結城は泣きながら・・
「お客さん・・・お客さんも何かスプレーでかけられたの・・・」
・・・・・・・。
すると・・・
バンッ!!!
控室の扉が開き・・・
「観客席の方たちは強いミストスプレーだったみたいで何も害はなかったようです!!」
スタッフがそう言いに来た・・・。
結城は少し安心したような顔をし・・美佳ちゃんの腕を掴んだ・・。
「結城・・・今日はよく頑張ったよ(笑)・・・もう今日は終わりにしよう??」
美佳ちゃんがそう促すと・・・結城は首を横に振って・・
「後1着だよ・・・・最後までやりたい・・・」
・・・・・・・。
