テキストサイズ

杉並メロディ。

第2章 荻窪

DVDレコーダーが壊れたのは、四月の中頃だった。
ことりが我が家に来て、数週間目の朝だ。
不幸中の幸いか、その日俺は仕事が休みだった。

ことりとは、近所への買出しくらいなら一緒に行っていた。
でも、二人でそこまでの距離を出掛けたことは無かった。

荻窪のSEIYUに連れて行ってあげる、と言うと、ことりは素直に喜んだ。
ことりはほんの一部の「関東」以外、東京の街を知らない。
荻窪だって、未開の地なのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ