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杉並メロディ。

第4章 蜃気楼

私は貴方を愛したかった。

貴方が本当に大好きだったけど、夫婦になりたいと望むには、自分が落ちぶれていることを、私はちゃんと理解していた。

吉祥寺の美容師さんの方がずっとずっと、私なんかより、貴方に相応しい。

そう、だからね。
とても悔しいから、せめて彼女との思い出って話してたこのお皿を、私の手で割らせて。
それくらいは、どうか赦してよ。

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