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ただ今嫉妬宮発動中!

第1章 嫉妬宮その1~N×A



N「……」


自分からこんな事していて、言葉が出ない。


オレ……どうしたいの?


まーくん、困るよね。


顔……見えないけどさ。


この人の表情がオレには手に取るように分かる。 


絶対、眉間にシワを寄せて、この状況を理解


しようと一生懸命考えてる真面目な顔だよ。



A「……なんか、言いたい事あるんじゃない?」




オレの急なこの行動に、困惑してるのが分かる


まーくんの唐突なその言葉に、胸がドキンとする。



N「……………………」



「言いたい事」



は、ある。


たった一言だけね?


あなたに。


こんなに今近くにいるのに……


まーくんの体温を直に感じなから


このまま伝えてしまおうかって頭を過る。


一層、胸の鼓動が早くなるのが分かって


息をするのも忘れて苦しくなってくる……




まーくんにオレの想ってる事を伝える……


……いや、ちょっと待って、ダメだよ。


ダメッ、やっぱ無理!!


……言えないよ。


オレの言いたい事なんて、スラスラ言える程


そんな簡単なもんじゃないから。
 

でも、だからって。


オレはこの状況をどうまーくんに説明出来る?


今からふざけてみて、冗談でした。


なんて笑って切り抜けちゃう?

 
黙ったまんま、頭の中でぐるぐる考えてる


うちに、まーくんに抱き付いたままの両腕が、


だんだん感覚がなくなってきた。


その時。



ふいにその両腕を大きな手でふわっと


包まれる感触がして、思わずハッとした。





  









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