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ギムレット

第20章 スプリッツァー  真実(シュウ編)


祖父を失ったら、子供の俺は生きていく術を失う。

祖父なしで、俺自身が生きていくのは、国の施設に頼ることだけだっただろう。

ただ、実際にどうなったかは今となってはその答えは分からないが、祖父の死後、あの鬼畜ヤローである実の父親との関係も俺が未成年であるうちは切れることなく、もしかしたら親子という関係に苦しめられて一生消えない傷に嘆き苦しみ、恨みながら生きていたか、あるいは俺は絶望の中で死んでいたかもしれない。


そんな俺に……今現在の俺の人生を与えてくれたのは


巨人男だった。


終わりなき宿命を終わらせて、俺自身が選択し、俺自身の命を運ぶ、その運命を生きたからこそ、今現在の俺の人生がある。

だからこそ、俺は一度もあの時の選択を後悔したことなどない。

祖父がいたからこそ、俺は巨人男に出会えた。
巨人男に出会えたからこそ、今現在の俺が存在している。


俺はあの時、巨人男の言った2つの選択肢の後者を迷わず選択して生きていくことを決めた。


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