+クロス+
第4章 第4章
果奈は今度は、勝ち誇ったように笑った。
「さあ、そろそろ行きない。本当に始まるわよ。そこの林を抜けてすぐの所がスタート地点」
果奈の考えてることが分からない。
果奈の思考はまるで読めない。
「……果奈は行かないのか?」
「行くわよ。でもその前に使命があるの。蓮斗ならきっと、一人で大丈夫よ」
「分かった。ありがとう。行くよ」
果奈は俺のことを、
“あなた”
って呼んだり、
“蓮斗”
って呼んだりする。
まあ、そこが果奈らしいのかもしれない。
果奈はどこか冷めているが、短時間で仲良くなれた。
――きっと果奈は不思議な力を持っている。