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テントの中でなんとやら

第1章 濡れた記念日

 私は彼氏に呼ばれて、村はずれの溜め池の裏にある小高い山の上に向かっていた。

 しかも、時間は深夜0時10分。

 こんな時間に女性を一人で呼び出すなんて……。

 でも、大好きな彼氏がいると思えば、怖くはなかった。

 周囲は木々に囲まれて、露出した土の道だけが、唯一の頼り。

 私はライトを片手に、細い山道を歩く。

 なにか危険なことがあるかもしれない。彼氏が私を裏切るかもしれないとも考えたけど、私は彼を信じた。

 そう、後は、自己責任。

 季節は夏。なにが出てきてもおかしくない。

 この山の上に彼がいる……その気持ちだけで、心が強く保たれた。

 裏山は、標高が200メートルほど。なだらかな坂道を登れば山頂にたどり着く。

 だいぶ涼しくはなってきてるとはいえ、夏の夜。徐々に汗ばんでくる。

 気のせいか、不気味な小屋が遠くに見えてきた。

 ここは、小学生の頃に、よく登って遊んだが、あんな小さな小屋は、見たことがなかった。

 気のせいか、私の横をついてきているようにも思えた。

 私は、無視することにした。下手に絡むと、ややこしくなりそうだからだ。

 ついてくるように見えるのは、月と同じ。

 そう思い込めば、すぐ忘れる。















 ここは、どこだっけ?

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