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テントの中でなんとやら

第2章 謎の生物

 ちなみに、滝繁とは、俺と同じスーツアクターのバイト先で知り合い、趣味がUMA探索ってことで、意気投合し、よく活動をしている。

 だが、そいつの人間性がよく理解出来ず、度々、人を困惑させるような奇妙な行動を起こす。


 やつからの手紙は2枚あった。もう1枚は、めくったカレンダーの裏に書かれてあった。

「なに……『そこにいる女性は私が秘かに思いを寄せている女性だ。手をださないように』……て出すか! 選ぶわっ!! なんやねん、俺の周りは怨霊とかモンスターしか寄ってこんのかい!!」

 女は、俺のモンスター発言に心を傷付けたのか、赤茶色い涙を流しはじめた。

「いや、いや、言い過ぎた。すまん、泣くな。その泣きかたは夢に出そうだ」

 つまり、これは繁から直接預かってきたものだな。

 てことは、この女にラブレターだしたのは繁ってことか?

 あいつは、こんなのが好みなのか?

 言っては悪いが、死臭が凄い。おそらく、この女から発していると思われるが、指摘するとまたあの涙を流すに違いない。

 くそ、しばらくは赤だしは食えないな……。

「わかった。この手紙は預かっておこう。あいつ、いまだにスマホの扱いわからないのか? ガラケーから機種変して、スマホにしたって言うが、うまく扱えないから、いつも公衆電話からかかってくる。めんどくせえからな」

 それを聞いて、女は、声を出さず口を開け、頭を揺らしていた。おそらく、笑っているのだろう。

 やめろ、それも夢に見る。

 貞子より、ナイトメアー率高そうだからな。

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