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偏西風

第1章 ホテル・モスクワ

俺の彼女は嫉妬深くて、何かにつけて喧嘩を売ってきた。
気にする必要も無いことを、いちいち気にした。

可愛かったし愛情もあったが、愛情の内の大半は「情け」。
そんな自覚は、とっくに在った。

だから、ミカと会うのは、ほんの気晴らしのつもりだったのだ。

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