二人のキセキの物語 MN
第55章 背中合わせの二人1 カズ
隣にいるのが いくら気心知れたまーくんだからって
いや、気心知れたまーくんだからこそ
照れくさくて
「愛してる」なんて返せないのは承知の上
きっと二人きりになったら
たくさんたくさん言ってくれるだろうから
今は我慢しておこう
「カズ、今どこ?」
「成田だよ、荷物受け取ってやっと充電できたから」
「やっぱ充電切れか・・・そんな事だと思ってた」
「あは・・ごめんね。何もかもスーツケースに入れちゃって」
「なぁ、今からウチ来れない?」
「・・・いいの?」
「すぐ迎えに行くから 待ってろ、そこ動くなよ」