二人のキセキの物語 MN
第56章 背中合わせの二人2 潤
2-1
車を駐車場に停めて エレベーターに乗る
各フロアーには 監視カメラがつけられてるから
部屋に入るまでは我慢した
だけど 玄関のロックをかけたらもう限界だ
旅立つ前より更に細くなったように見える身体を
思い切り抱きしめて カズの匂いを吸い込む
でも、いつものカズの匂いじゃない
そう言うと
「あぁ・・・シャンプーもボディソープもホテルのだし
洗剤もコインランドリーのだから
日本に居る時の匂いとは違うかも」
「それでか・・・って。え?コインランドリー?ホテルでもクリーニングサービスあっただろ?」
「あったけど・・・Tシャツ洗うだけで2000円ぐらいするんだよ?信じられる?
徒歩10分のとこにコインランドリーあるんだもん、絶対そっち行くでしょ」
「・・・・・・」