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イジワルな彼女。

第4章 薫-カオル-


サンドウィッチを頬張りながら、
僕は考えていた。


ここに来たのは、唯さんの手がかりが
何か見つかるかもしれない。
ただ、それだけの理由だった。

しかし、現実はそう簡単にはいかない。

なるべくゆっくりサンドウィッチを
食べて時間を稼いだが、
さすがに10分くらいしかもたなかった。

合間に飲むアイスコーヒーの味も
昨日とはどこか違う。

唯さんの前では見栄を張って、
ガムシロップをほんの少ししか
入れなかった。その分、
昨日とは甘みが違うのもあるけど。


昨日と同じ場所にいるのに…。

あんなに楽しくあっという間だった
20分という時間は何だったのだろう。


僕は夢でもみていたのか?
そんな気さえしてきた。

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