イジワルな彼女。
第6章 密-ヒソカ-
僕は食べ終えた食器をシンクに戻した。
洗ってゆすぐとこまで済ませたかったが、
そろそろ家を出て美容院に向かわないと
今日のスケジュールに支障をきたす。
自宅を出発し、電車に乗り美容院に急ぐ。
幸い、いつもの担当美容師さんがいたので
髪型は美容師さんにお任せした。
目に掛かっていた邪魔な前髪は短くなり、
全体的にもかなりスッキリとした。
僕は少し切りすぎたと思い後悔したが、
でも仕上がりは意外と似合っている。
会計を済ませて、美容院をあとにする。
駅まで戻り、僕はホームで電車を待った。
イヤホンから流れる音楽は、
昨日とは違ってバランスのいい選曲だ。
すぐにホームに電車が入ってきた。
ドアが開き、車内に入ると
僕は入口と反対側のドアの前に立つ。
電車のドアが閉まり、
そのままゆっくりと動き出す。
僕は窓の外を眺めていた。
すると、反対側のホームに佇む
女性の姿が視界に入った。
しかし電車はスピードを加速して、
女性とは反対方向へと僕を連れていく。
その間も僕はずっと、
その女性から目が離せなかった。
なぜなら…
女性は唯さんに似ていたからだ。
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