イジワルな彼女。
第2章 歩-アユム-
前回は
入りたての予備校の講師が相手だったし、
その場の空気を悪くしたくなくて
素直に○●大への進路変更も受け入れた。
でも今回は、前回とは違う。
しかし受験までの間は
この予備校に通わなきゃいけない。
イコール、
菜摘先生と会わずに済む道はない。
この道は避けては通れない、
僕が歩かなきゃ行けない道だ。
僕がどう穏便に済ませるかの
答えを考えている間も、
菜摘先生の説得は続いていた。
そうして僕が出した答えは、
「先生、俺のためにほんとありがとう!
センター試験ギリギリまで、
俺なりに頑張ってみるよ」
僕の意思表明を聞いた菜摘先生は、
真剣な顔からパッと笑顔になった。
「ううん、そう言ってくれて先生嬉しい。
小日向くんのこと、
先生ちゃんとサポートするから
一緒に頑張ろうね!」
そう言って、満足そうな菜摘先生は
やっと僕を解放してくれた。
「…なっちゃん、ほんとごめん…」
嘘つきな僕はそれを悟られないよう
気をつけながら、予備校をあとにした。
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