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『ま゜』

第9章 脱出

 トンネルの先には、それぞれの家の様子が映し出された円形の穴が見えた。

「あ、ここ、僕の家だ!」

「あ、私の部屋ぁーっ!」

 次々に子供達が入っていく。

「みんな、バイバイ、元気でね」

 音子が、一人一人に、手を振って見送る。

 円形の中では、戻れて喜ぶ姿や、両親が泣きながら子供を抱き締める様子が映し出される。

「水戸さん、よかったね。みんな、戻れて」

『ま"』

「私はここね。また、事務所で会おうね、水戸さん」

 音子は自分の場所に、戻っていった。

 そして、水戸さんも、山野紗知の部屋へと戻った。

『テ^ン"コ*ー(脱出)』

「あれっ!!」

 紗知がいた。

「さっき、下にいたのに、もう上がってきたの?」

『せ*い"かい゜(たぶん、それはメカ)』

「おとうさ~~ん、また水戸さんが増えたよ」

『な゜み"だ(えええーー)』

 時は、水戸さんが消えた時間から5時間が経っていた。

 水戸さんとメカ水戸さんは、リビングへ向かった。

 夕食はすでに終わっており、メカ水戸さんのセグウェイタイプが、後片付けをしている最中だ。

(よかった、ちゃんとしてくれてたんだ)

 後、一時間もすれば、勤務時間が終わる。

 今日は、いろんなことがあった。

 後は、メカ水戸さんに任せよう。

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