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本気になんかならない

第2章 北里

俺の部屋、その日はケースの上に置いたままだったバイオリンに望月は興味を示す。

「お前、弾けるのか!すげーじゃん、
さすが、宮石家の坊っちゃんだな!
今度いいとこ連れてってやるよ」

母から譲りうけたバイオリン、
家族であわせたくて練習してはいたけれど、
今となっては悲しみのもと。

それでも俺は自宅でひとり弾いていた。

誰かに聴かせるなんて考えてもなかった。

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