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本気になんかならない

第1章 子守り

そんなときに限って予想外に道のりは順調で、
早めに着いた俺は空港内をうろつく。

硬貨使いきりに励む観光客に混じって
ガチャの界隈を歩いていた。

と、俺の背後で「あーん、あーんっ」
と突然泣きだした。

「な?リィ、言っただろ?
欲しいものが出てくるとは限らないんだよ」

「ちっちー、わあーんっ!」

「何ぃ?出たのか?これからか?」

「にゃあーんっ!」

「ハニィも!つられて泣くんじゃない!」

な、何かたいへんそうだな。
振りむいた俺はそちらを見た。

なだめてるのは俺よりも年下な少年。
その少年が俺の視線に気づいて顔をあげる。

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