テキストサイズ

本気になんかならない

第13章 争奪戦

だけど、失敗。

彼の仕事は朝イチの解錠のみで、私の仕事は昼休みや放課後の受付係だったりして。

一緒に本の整理をしたり、ときには掃除をしたり…なんて甘い想像はいとも簡単に砕かれた。

それでも彼はちょくちょく図書室に現れて、静かに本を読んで帰ってく。

彼がいつ本を借りにくるかと私は、ドキワクで受付で見守っているのに、彼はあまり学校で本を借りない。

読んでる、だけ、、。


その横顔を、背中を遠くから眺めて、彼が戻した本をチェックして。

私が借りて…。

話しかけられないまま、彼への想いは募ってく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ