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本気になんかならない

第22章 カラーレス

窓にかかるカーテンを開けて、彼は外を覗く。
そこには、俺からもまぶしい月が見えていた。

「お前、紀ちゃんとより戻せば?」

「どうしてそうなるかな?」

それに、メグと離れたからって、だからって
北里に近づくなんて
そんな、虫の良いことしたくない。

加えて、あんな別れかたをした俺なんだ
北里はもう、俺を受けいれない。
セフレにもペットにも俺はもうなれない。

「お前の顔には、紀ちゃんloveって書いてある」

「書いてるわけないだろ」

もっちーのその言葉に
若干動揺しつつ、窓ガラスを通して俺を睨む彼から顔をそむけた。

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