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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

白檀がどこからか香るその部屋は、
百人一首の出どころである小倉山荘を模していて
ふすまには、今までの部員たちのとっておき一首が二重三重に飾られてあった。

それは自分が作った和歌や過去の歌人のもので
俺の知らないものも当然数多く
はたまた、難解すぎて意味の読みとれないものもあった。

で、目下、副部長の関心ごとはこれ。

「藤原定家(小倉百人一首の撰者)と式子内親王(後白河天皇の娘)って恋愛関係にあったと思う?」

そんなこと、聞かれたってわからない。
俺は12~3世紀には生まれてなかったし。
もし、いたとしても当人じゃないから

「だけど、ひとまわりほど離れてるんだろ?」
と佐倉が言う。

「年の差なんて関係ないわよ」

「でも、年上なのは女性のほうだし、
天皇の娘なんて恐れ多い時代だろ?
なあ、宮石は何歳までOK?
年上と年下とどっちが好み?」

北里とは4歳差だったかな?と思いつつ
「さぁ。」とごまかした。

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