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本気になんかならない

第37章 余波

いつからだろう、嘘をつかれていたのは。

休日に仕事のふりして、どこで油を売ってるんだろう。

もしかして、女性…かな?

とにかく、胎教に悪いわ。
考えるのはやめよう。。

私はこのコのことを第一に考えなくっちゃ。

その日も帰ってこないと思っていたのに、同僚から知らせを受けた彼は帰ってきた。

そこで謝ることもなく、彼は私を責めたてる。

「お前、好きな男がいるんだろ?
本当は俺じゃなくって、そいつと結婚したかったんだろ?」

それでいじけて帰ってこなかったというの?

「そんなの昔のことよ。
今はあなただけ。あなただってそうでしょ?
昔には彼女がいたでしょ?」

「そこにあるカバンだってな、男から貰ったって聞いてるぞ。どうりで大事にしてるよな。
その腹のコだって、そいつとの子どもなんだろ?
俺と出会って、すぐにできたもんな」

父親が違う?
そんなことあるわけないじゃない。

カバンだって、お気に入りだから使ってるのよ。
そりゃ、過去の思い出も大切にしてるけれど、それは、誰だってそういうものでしょ?

まるきりが彼の誤解なのに、ショックの私はフォローする気力もなくした。

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