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本気になんかならない

第38章 ファーザークリスマス

全クラスの発表が終わると、子どもたちはクラスごとに前に集まる。

これから何が始まるかわかっている子どもたちは
立ちあがったり、何度も出入り口を覗いたり。

わくわく、そわそわ。

そして、鈴の音が聞こえてきて、部屋に入ってきたトナカイさんとサンタさん。

「ホーホッホ、メリークリスマス!」

入場からテンションが高くて。
観客の注目、なんのそので演じる。
さすが、園の先生って思った。

背が高くて、快活そうな張りのある声。
お髭に隠れてるけど、優しそうな瞳。
似てるなぁ……でもまさかね。

だけど、こんな先生いたかしら?

まわりの保護者も、「なに先生だと思う?」と首をかしげる。

「去年は、プール工事に来ていた作業員さんだったわよ」

「えーっ?じゃあ、あのサンタさんも?」

なんて、こそこそ言いあって、自分の子どもが呼ばれると、カメラを構える。

年齢の下の子から、どんどんとプレゼントが渡されて、そろそろ紗波のクラスかなって思っていると。

担任の先生が私のところにやってきて、「北里さん。紗波ちゃん、お母さんと一緒にプレゼント貰いたいそうです」って。

……しかたないなぁ。
サンタさんからプレゼント貰って、喜んでる紗波をビデオに取りたかったけど、まだまだ甘えん坊ね。と、腰をあげた。

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