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本気になんかならない

第40章 My own decision

しばらくすると、家族連れが入店して、みんなは持ち場に戻っていく。

ウェイターがやって来て、水を注いでくれた。

「ありがとう」
とお礼を言うと、そのウェイターはじっと私を見た。

な、何?
ソースでもついているかしら?

紗波用のウェットティッシュで口元をぬぐっていると、尋ねられる。

「宮石の…彼女さん、ですか?」

「え……」

あ、この人も、きっと和君の部活仲間ね……。

で私、肯定していいのかな?
もしかしたら、別れるかもしれないのに。

どうしようかと迷っていると、ちいちゃんが助けてくれた。

「貴志、お客様を困らせちゃダメだろ」

「あ、はい。すみません。だけど、これだけは。
宮石のこと、遊びにはしないでくださいね。ヤツが本気なら、本気でぶつかってやってください」

「えっと、…」

真剣な姿勢に、どう返したらいいのか戸惑う私。

「ほら、奥を手伝ってこい」

ちいちゃんが促すと、ウェイターは頭をさげて場をはずした。

「悪いな。彼は、和君びいきだから」

「ううん、嬉しいわ」

私の知らない、あたたかな彼の世界を垣間見て、私まで一緒に包まれた気がした。

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