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本気になんかならない

第41章 妹

1階では、白峯が客間の扉を開けて、彼女をとおしているところだった。

「今、和波を連れてまいりますから、どうぞ掛けてお待ちください…あ、来ました」

道を譲られた俺は、その部屋に入る。

「北里、どうしたの?」

「和君が運ばれたって聞いたのよ!
うちの病院じゃ手におえないから、どこかに搬送されたって…
なのに、なんでっ、なんでいるのっ??」

ボタボタと涙を落とす彼女に、シャツの胸元をつかまれて、何がどうなったのか戸惑いながら話す。

「なんでと言われても、怪我はこれだけだし。
誰かと間違えられたんじゃない?」

と、腕1本を前にさしだす。
彼女は、その白い処置を見てから、俺の全身を見まわした。

「元気なの?本当に?
私、和君が死んじゃうんじゃないかって思ったのに。
もうっ、…よかったっっ」

ペタリと床に崩れる彼女に、俺も腰を落とす。
そして、彼女の顔を覗きこんだ。

「そんなに俺のこと心配してくれたの?」

「当たり前でしょ!バカっ!
もう、腰が抜けちゃったじゃないっ」

涙目で睨まれた俺は、嬉しい感情が止まらなくて、彼女を抱きしめて頭を撫でた。

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