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本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

頭のなかドヨメキ走る俺を見やりながら、メグは話す。

「だから私の姉も北里姓でね…」

「ちょ…っと待って?
お姉さんって、8つ上とか言ってた?」

「ごめん。私は同級生より2つ年上なの」

言われて思いだす。
誰かがそんなことを言ってたっけ。

「だから和波君からしたら、私のお姉ちゃんは10こ上になるね」

「メグの…あ、いや。
北里さんのお姉さんは、北里…さん?」

マンガのタイトルにもなりはしない単純な文章を、俺が何度も空で唱えていると、メグが気遣いしてくれた。

「ややこしいから、私のことはメグでいいわよ」

目の前では、何匹もの赤トンボが爽やかに飛びかって、そのうちの1匹が俺に向いた。

"メグは北里の妹で、北里はメグの姉なんだよ"と、そのトンボが教えてくれた気がした。

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