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好きだって気づいたとき

第15章 卒業式

教室に戻り見渡すと、女子はほぼ全員、男子も結構泣いている。
だんとつで泣いているのは遼太だった。
何と言うか、感受性が豊かと言うか、まぁ早い話がこいつは本当に優しくていいやつ。

・・・でもちょっと泣きすぎかな?


「遼太泣きすぎ」

「だって・・・だって・・・」

「寂しいのはわかるけどさ」

「小、中学ずっとみんな一緒だったけど、今度からみんな違う学校に行って顔見られなくなるんだぜ。
寂しいじゃんかよ」

「でもちょっと泣きすぎ。
もうこれで2度と会えなくなるわけじゃないし、みんな大体家近いし、通学する時に顔見たりするからさ・・・」

「うん・・・そうだな」

「そうだよ、だからもう泣くなって・・・なっ!」


何だかこいつの親にでもなった気分だよ。
本当にいいやつだよな。
遼太のこういう所好きだな・・・?
好き?

卒業式全て終わり、校庭に出てみんなで記念写真を撮った。
俺達野生児、この日で解散。
俺はこっちに引っ越してきてからたった3年だけど、前のところよりも思い出が濃厚すぎる。
いろいろあったけど、本当に楽しかった。
遼太ほどではないけど、ちょっとうるっとくるよ。


「お〜い友哉、帰ってみんなで飯くいに行こうよ」

「あっ・・・うん、行こうか」


こっそりと涙を拭い、俺達野生児学校を出た。
家に帰り服を着替え、ファミレス行ってみんなで飯を食った。
会えなくなる訳じゃないけど、野生児解散式みたいなもの。
他に同級生も来てたけど、俺達はさっさと食べて店を出た。
その理由は・・・


「よし、俺達の秘密基地に行くぞ!」


そう、あのいつもの木へ向かった。
出会ったことろに比べると、みんなガタイも良くなった。
でもやっぱり木登りは楽しい。

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