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好きだって気づいたとき

第15章 卒業式

「あ〜、終わった〜」

「遼太どうだった?」

「わかんねぇ。
でもやれるだけの事はやったよ。
友哉は?」

「俺もわかんない。
お前じゃないけど、やれる事はやったつもり」

「じゃあ帰るか。
何か頭使ったら腹減っちゃったよ」

「お前らしいな。帰ったら昼飯食いに行くか」

「行く行く」


他の面子も誘ったけどそれぞれ予定があるって事で、俺達2人で行くことになった。
今日はファーストフード店に行き、店で食べるわけでなく、テイクアウト。
それを持ってあいかわらずのあの木。
俺達野生児、袋片手に器用に木を登っていく。


「やっぱここはいいな」


この木は俺達に癒しを与えてくれる・・・気がする。
マイナスイオンでも出てるのか・・・って気がする。
食べ終わり、何をするでもなく太い枝に転がりちょっとお昼寝。
こんな木の枝で昼寝ができるなんて、俺達くらいなもんだろうな。

数日後、合格発表の日。
いつも通り、2人で発表を見に行った。
貼りだされた番号の中に自分の番号を探す。


「え〜と・・・あっ、あった」


何とか合格していた。


「よっしゃー!」


大きな声で叫ぶ遼太。


「友哉は?どうだった?」

「うん、合格」

「やったー!これでまたずっと一緒いられるね」

「そうだね」


俺も遼太みたいに大きな声で喜びたいけど、何だろう素直じゃないんだよね。


「みんな、どうだった?」


うちの学校から受験したやつはみんな合格。
もちろん木村も。
その後みんな揃って、学校まで合格の報告にいった。
4月からは俺達高校生。
どんどん大人になっていく。
嬉しいような、まだもう少し子供でいたいような、複雑な思いがする今日この頃。

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