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好きだって気づいたとき

第5章 文化祭

「これは・・・
あぁ、文化祭のときの写真だ。
てかコイツ、俺達のクラスでも一緒に写ってるよ」


中学生になって初めての文化祭。
小学生とは違って自分達で決め、材料を調達も自分達でやった。


「ちょっと大人になった気分だったな」


クラスごとの作品を作るのに、みんなで遅くまで残って作ったりしていた。
大変だったけど、楽しかったな。


「先生が時々ジュースやアイス、パンの差し入れって、どうしてあんなにも美味しいんだろう!」


小学校の時とは違って、みんなで作り上げていく感じが何ともよかった。


「この頃からだったかなぁ・・・
大人しい奴がいじめまでいかないけど、からかわれたり、嫌がらせされたりし始めたのって・・・」


元気なやつら・・・
まぁ早い話がヤンキー化しつつあるヤツらが、風格と言うか見せ始めた頃だった。


「1年生だから、先輩ヤンキー達に目をつけられないようにはしてたけど、それなりにいろいろしてたよな」


文化祭の準備には参加しない。
参加しないと言うより、やる訳がない。
担任に何か言われればとりあえず返事はするものの、おとなしいヤツらに無理やり押し付けてた。
その間、屋上や人気のないところに隠れていた。
みんなは怖いのか逆らわず、言われるがままにやっていた。


「俺も押し付けられた事もあったけど、俺ははっきりと断ってた。
でもそのかわり、他のやつに押し付けていたから、今思えば悪い事しちゃったよな」


“何で俺が代わりに・・・”と言い返せる奴はいいけど、言い返せないやつの方が多かった。
大袈裟かもしれないけど、泣き寝入りってやつだよね。








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