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好きだって気づいたとき

第5章 文化祭

文化祭まであと1週間。
やっぱ奴らは何も手伝わない。
先生も知ってか知らずか何も言わない。
俺達が言えない言わないならわかる。
先生が何も言わないのは正直ムカつく。
そんな事を言っていても仕方ない。
俺は自分の班じゃなくても、積極的に手伝ったりした。


「甲斐田君、いつも手伝ってもらって悪いね」

「気にすんなよ。
俺が変なことあいつに言わなければ、手を出されることなかったのに、俺こそ悪かったよ」

「気にしないでよ。
怖かったけど、正直ちょっとスカッとしたんだよ」

「えっ、そうなの?」

「俺、甲斐田君みたいにあんな事言えないもん。勇気あってうらやましい」

「何かそれがいいのか悪いのか、よくわかんなくなってきたよ。
仕返しされそうになったし・・・」

「本当に俺、気にしてないから大丈夫」

「そっか・・・
あと1週間だから頑張ろっ!」

「うん」


結局あいつらは最後まで何もしなかった。
文化祭当日も学校には来ているんだろうけど、どこで何をしているかは全然わからない。
朝と帰りに顔を見ただけ。
あとはどこで何をしているのか・・・
あいつらが何をしてようと俺達には関係ないが、納得はしてない。
納得してなくても俺達にはもうどうすることもできない。


「先生が何もしないんだから、俺達が出来るわけないんだよな」

「はぁ?智哉、何が出来ないんだ?」

「いやっ、別に何でもないよ。
俺の独り言に反応すんなよ」

「反応するだろ?
独り言のわりには声がでけぇからさ」

「そりゃでけぇ独り言で悪かったな」

「悪かぁねぇけどさ・・・」

「そうだ、帰ったらいつもの所行かね?」

「おっ、いいねぇ。
憂さ晴らしにでも行くか」


絶対お前、俺の心読んでるだろ?




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