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好きだって気づいたとき

第6章 体育祭

逆上がりの練習をきっかけに、俺は松田とさらに仲良くなり、放課時間やグループを作る時は一緒になった。
何も気にしないで教室に遊びに来る遼太も初めはキョトンしていた。


「なぁ智哉、最近あいつとよく一緒にいるよな」

「あぁ、松田ね。
文化祭のとき色々あったのがきっかけ。
体育祭で俺が怪我した時も凄く心配してくれて・・・」

「心配したって・・・俺よりも?」

「お前よりとか、比べたりなんかしてないけど、大縄回していたから何か気にしてて・・・」

「あいつが回してたの?」

「あいつが回してたけど、俺がケガしたのはあいつのせいじゃないし、何か木村が企んでたみたい・・・!?」

「木村がどうした?
木村が何を企んでたって?」

「いやっ・・・まぁ何か気にしてたし、たまたま空手の帰り道の公園で、あいつ逆上がりの練習しててさ、教えてやったりしたんだよ」

「もう逆上がりの話なんてどうでもいい。
木村が何かしたのか?」

「あっ、いやあいつが縄に引っかかったみたいなんだけど、俺もそれは見てないから・・・」

「わざとやったんじゃないのか?」

「たまたま引っかかったんだよ」


証拠は無いとはいえ、なぜに俺はあいつをかばったりしたんだろう。
何かこいつ、木村に何か言いに行きそうな気がしたんだよね。


「なぁ智哉、勉強わかんないところがあるから教えてくんない?」

「俺でわかることなら」

「よしっ!じゃあ後で行くわ」


もうすぐテスト。
テスト前になると必ず、宿題もあまりまともにやらない遼太は教えて欲しいと言ってくる。


「これは、こうして・・・」

「おぉ、わかった!」


でも何で俺は隠してるんだろう。





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