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第2章 2.密姫






「言っただろう?
君は僕の密姫だって、」


「密も身体も心も
もう僕のものだ。」



私の頬を涙がこぼれた。



キィイ

パタン


ドアは無情にもしまった。






庭に輝く一輪の鮮やかな花は
今日も艶々しく輝いている。

彼女の唇のように
紅く綺麗に


彼女が枯れたとき
もう一度、他の花が芽吹くだろう。


そして何度も密姫を探し出すだろう。

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