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まだ見ぬ世界へ

第3章 幸福論【序章】

3ヶ月に1回、俺を縛り付ける7日間がもうすぐ終わる。

「んっ、ぁぁっ…」

意思とは関係なしに疼く身体を沈めるために、アレの形のしたモノを自身の中に埋め込んで自ら動かす。

抑制剤を飲んでいるから本能のままに誰かを求めることは無いが、意識がはっきりしている分、自分のしている行為が虚しくなってくる。


早く、終わらせたい。


「あっ、あっ、もっと…ああっ!」

その一心で自身のモノに手を伸ばして扱き、アレの形をしたのモノを激しく動かして中を掻き回す。

「だめっ……イくっ、んぁぁぁぁっ!」

ピクっと身体を震わせると奥に埋まっていたアレの形をしたモノは中からスルりと抜け、少量の吐き出したモノが手を濡らす。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

恥ずかしい格好だとわかっていても、倦怠感に襲われる投げ出した身体を動かす事は出来ない。


ピピッ…ピピッ…


外す事ができないシルバーの首輪から、発情期の終わりを告げる音が聞こえた。


「…るさい、うるさいっ…くそっ!」

感情的に動いた腕で引っ張っても、痛いだけで外す事なんて出来ない。

寧ろ、俺を守ってくれる大切なもの。


それでも毎回……同じことをしてしまう。


終わったと思う安堵と、また訪れる1週間へ危惧。

そしてそこから一生逃れることののできない無力感。


でも……

でも……


わかっていても探そうとしてしまう。


もしかしたら……


「もう、やめよ」

結局は堂々巡りを繰り返すだけで、俺が望む答えなんてでない。


導かれる運命に従うしかないんだ……


ウェットティッシュを何枚かとると、汚れた手をサッと拭いて立ち上がる。

そして部屋の中にあるシャワー室に入ると、コックを捻って頭からお湯を浴びる。


これで全てをリセットできればいいのに……


俯き加減で髪を洗いながら自らを鼻で笑う。


ホント俺、諦めが悪いな。

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