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Kissシリーズ

第17章 病弱なキス

彼はわたしがこういう行事に参加できない時、自分も参加しない。

ずっとわたしの側にいてくれるけど…いつまでも迷惑をかけられない。

「行かないって。…お前が行けないのに、俺だけ行っても仕方ないだろう?」

「アンタはわたしと違って、クラスに友達いっぱいいるんだから、行けば楽しいわよ」

「楽しくないよ」

「何でよ!」

思わず怒鳴ってしまう。

「お前がいなきゃつまらないだろう?」

「……えっ?」

「だから、お前が一緒じゃなきゃ楽しめないんだよ。俺は」

「それって…告白?」

「まあな」

…味も素っ気も色気も無い…。

がくっと脱力してしまう。

「それにお前、俺がいないと無茶ばっかするだろ? 俺ぐらいしか相手にならないって」

「どーゆー意味よっ!」

「こんな大きな和風の屋敷に住んでて、しかもお嬢様で病弱。周りからは儚げな美少女なんて言われているが、結構おてんばだしな」

たっ確かに昔から、病弱ながらも暴れてたけど…。

「アンタっ、本当にわたしのこと好きなの?」

「好きだよ。本当に」

フッと笑って、いきなりわたしに覆いかぶさってきたかと思うと…キスされた。

軽く弾むような、柔らかくも…とても甘いキス。

「…へ?」

「お前の面倒、一生見てやるよ。俺だけの役目だ」

「……絶対一生困らせてやる」

「ああ、やってみろよ。受けて立つぜ?」

…コレがわたし達の恋愛のカタチか。

でもわたし達らしい。

「今はとにかく、寝て回復しろ」

「…病気の体に悪いことしたクセに」

「これからはコレ以上の悪さをするぞ?」

間近でニヤッと笑われ、カッと頭に血が上った。

「…っ!? バカぁ!」

バキィっ!

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