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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第12章  愛を識るとき

  


「君は・・・・・・どうだ?」


「わ、私は・・・・・・ッ゛?!!!」


 彼の告白を訊いて感情に触れて初めて自分の中に渦巻く感情の名前を教えられた気がした。
 見知らぬ異国に連れて来られて彼の自由で奔放な態度に振り回されてきたけれど・・・この胸に渦巻く感情がいつの間にか生まれたのだとしたら、それは・・・・・・〝恋〟なのだ。


「嫌いじゃ、ないです・・・ジュリアスさんのこと。」


「珱月・・・その答えでいい。」


「でもっ、私・・・でいいんですか?」


 彼は、公爵家の1人息子だ。つまりそれなりの家柄の女性と添うしかない。それを彼の両親も望んでいる。


「言っただろう。こんな感情を他人に抱いたことはない。君しか要らない。」


「ジュリアス、さん・・・・・・んっ!!」


「珱月、〝愛している〟。俺にただ、愛されていろ・・・・・・」


  

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