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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第16章  障害物狂想曲━ アフェッツオーソ ━

  


 こちらも〝本気〟で防御を考えなくては・・・国内にそろそろ婚約者だと紹介するべきだろうか。それも国王夫妻の主催するパーティーで。


 《 《 *


「珱月。」


 入院生活も2日にもなるとそろそろ飽きてくるものだ。しかし彼がなかなか退院を許してくれない。


「ジュリアスさん、お仕事お疲れさまでした。」


 彼は、毎日朝と夜やって来る。すっかり病室での挨拶も過ごし方にも慣れてしまった。


「ただいま。今日は、大事な話しがあってきた。」


「〝お話し〟・・・ですか?」


「ああ。実は、明日から急遽王さまが視察に行くことになった。」


「そう、ですか・・・。じゃあ、お供ですね。」


「ああ、そうだ。だから君を護衛する者を置いて行く。」


「はい?〝護衛〟・・・ですか?」


「そうだ。1人で置いておける訳がないだろう。」


  

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