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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第17章  障害物狂想曲━ フォルティッシモ ━

  


「お願い致します。」


「どうする、珱月?」


 助けを求めるようにこちらを見て来る彼女に決断を迫った。


「わ、かりました。ジュリアスさんが戻るまで・・・宜しくお願いします。」


「良かったな、ジェイド。」


「はい、ジュリアスさま。頑張ります。」


「頼んだぞ。」


 彼女が断れないのを判っていて助け船を出さなかった。自分の1番信頼する者に彼女を託せるのは、助かる。


「珱月、3~4日で戻るからいい子で待ってろよ。」


「判っています。」


 結局彼の思うままに自分が動いていた。


 》 》 *


「ミエリアさま、失礼致します。」


「なにかあったの?」


「ジュリアスさまが王さまのお供で王都を離れました。」


「そう・・・」


 紅茶をゆっくりと一口飲んだ。


「これからいかがなさるのですか?」


  

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