テキストサイズ

ソレは、そっと降り積もる・・・。

第17章  障害物狂想曲━ フォルティッシモ ━

  


「親同士が決めた婚約者でも〝先に手を出す女には、容赦しない〟ってことだろう?」


「ふふ、好きに思ってくれていいわ。」


 男に自分の考えを理解してもらいたいとも、理解させたいとも思っていないので受け流す。


「そうかよ(嫉妬だって、言えたら苦労しないわな)。」


「なにか?」


「いんや、なにも。」


 彼女の目的を真に知りたいとは、思わない。しかし彼女の目的達成をアシストしたいとは、思うのだから自分も大概だと思う。


 》 *


「珱月さま。」


「ああ、ジェイドさん。疲れてませんか?ずっと立ちっぱなしですよね?」


「大丈夫です。椅子を用意して頂きましたし事務仕事をしてますから。」


「そうですか。でもちゃんと休憩は、取って下さいね。」


「はい。実は、そのことで来たのですが・・・」


「なんでしょう?」


  

ストーリーメニュー

TOPTOPへ