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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第17章  障害物狂想曲━ フォルティッシモ ━

  


「ジュリアスさま・・・ちゃんと、宣戦布告してさしあげましたのに。」


 ヒールの音を高鳴らせて病院を後にした。


 《 《 *


「久しぶりだな。」


「誰かっ!!」


 叫ぶしかなかった。ドアの向こうには、護衛が居る。


「おいおい、頭が悪いのか。〝黒髪の乙女〟は。」


「え・・・・・・?」


 呆れたように言われて布団をギュッと握り締めた。


「俺がここに居る時点で外の護衛は、役に立ってないの判るだろう?だから叫んだって俺を喜ばすだけだから・・・残念だったな。」


「いやっ、来ないでっ!」


 絶望の言葉を言われ近付いて来る男から逃げる為に後ずさりする。しかしベッドの上での攻防など無意味だった。


「今日は、前戯をしてやれないから・・・痛むぞ。」


 ベッドに乗り押し倒される。



 愛など、要らない。


  

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