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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第20章  ソレは、伝説の・・・

  


 昔、むかし・・・遥か昔のお話し。美しい山河と豊かな海に愛された国が在りました。そこには、悪意など存在するのかさえも判らない程に人も大地も豊かで穏やかでありました。その国は、【 ランデルージュ 】と言いました。
 争いのない不可思議な国でした。


 《 《


「お帰りなさい、ジュリアスさん。」


 突然の登場に予期していなかったのでメイドと一緒に驚いてしまった。


「なんの、話しをしてたんだ?」


「マリー、下がっていいわ。」


「はい、失礼致します。」


 マリーを下がらせて誤魔化しきれないのを理解していたので素直に訊いてみることにした。


「ジュリアスさん。訊いておきたいことがあるのですが。」


「なんだ、改まって。」


「〝黒髪の乙女〟とは、なんなのですか?」


 ずっと気になっていて訊けずにいたことを口にした。


  

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