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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第20章  ソレは、伝説の・・・

  


 自分は、本当に難破船の生き残りでたまたまこの聖なる国に辿り着いたこと。助けられてすぐに聖なる湖の主でありこの国の守護神と対面したこと。
 彼に見初められ贄になるよう言われたこと。
 飢饉と疫病が落ち着くまでの3年間を彼に神力を与えながら先延ばしてきたこと。そして王女の縁談のため腕を捧げたこと。
 隣国との戦で片目と片脚を捧げたこと。

 そうしていま王女が本当に倖せになれる相手と巡り逢えたのでそろそろ守護神の贄になろうと思っていること。
 これからもこの国を守り続けていくこと。見ず知らずの人間に優しくしてくれた王さまに一目惚れをしていたこと。それら全てを告白して王さまの元を少女は、去った。

 少女が去って王女の懐妊が知らされた。
 少女〝クロエ〟の行方は、不明となった。しかし王さまは、彼女こそこの国を守った少女として語り継ぐことを決める。


  

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